Fe-Mn-Si系合金とは
Fe-Mn-Si系合金(鉄系形状記憶合金、高耐疲労合金)
Fe-Mn-Si系合金は、組成によってユニークな二つの機能を持ちます。
一つは、形状記憶効果、 もう一つは、著しく優れた耐疲労特性
これら二つの特性は、Fe-Mn-Si系合金の応力誘起マルテンサイト変態と逆変態を利用することによって得られます。
形状記憶効果:変形時に生じた応力誘起マルテンサイト相が加熱により元のオーステナイト相に戻る
疲労耐久性:変形時に生じた応力誘起マルテンサイト相が逆向きの変形により元のオーステナイト相に戻る
Fe-Mn-Si系合金の応力誘起マルテンサイト変態と加熱または逆向きの変形による逆変態の概念図
合金の代表的組成
Fe-28Mn-6Si-5Cr(形状記憶合金)
Fe-15Mn-4Si-10Cr-8Ni(制振ダンパー用心材) (質量%)
Fe-28Mn-6Si-5Cr合金は、形状記憶効果を利用して、一度だけ形状回復させる用途(締結部材)に、Fe-15Mn-4Si-10Cr-8Ni合金は、優れた疲労特性を利用して、制振ダンパー心材に、応用できます。